オープンリールデッキ Q and A
AKAI
GX-77, 早送り、巻き戻しで速度が遅くなり止まる
GX-77によくある故障で、原因は3つあります。 1)リール駆動ベルトの伸び、2)リールモータのトルク不足、3)テープ走行系の汚れです。GX-77のリールモータはカセットデッキクラスの直流モータでトルクが弱いです。そのため走行系のわずかな汚れで早送り巻戻しが遅くなります。 特にテンションアームの汚れの影響が大です。徹底的なクリーニングが必要です。クリーニングだけでもかなり改善されるはずです。モータが劣化している場合は完全には直りません
GX-747, 巻戻し中に再生ボタンを押すと、再生状態になった直後テープがたるみ停止する
リールサイズを正しく選択してください。10号リールをSMALLのポジションで使うと、テープが完全に停止するまでに再生状態になりテープがたるみます。リールサイズのLARGE/SMALLで制御回路の遅延時間が変わります。
10インチのプラスチックリールを使う場合、リールの高さを調整する方法は
金属リールとプラスチックリールとでは、リールクランパの装着位置が違います。プラスチックリールを使用する場合は、リールクランパの白点とリールテーブルの黒点の位置を合わせます。金属リールの場合は白点と黒点を120度ずらして装着して下さい
DENON
DH-710S, 録音や再生で高音が出ない
DH-710, DH-710S,(DH-710Fを除く)で起こる故障です。原因はこの2機種に使われているフェライトヘッドにあります。故障(不良)の発生状況は、短期間でテープとの接触面が荒れてギャップが開いてしまうためです。修理には、ヘッド交換が必要です。後継機のDH-710Fではパーマロイヘッドに変更されたため、同様の故障を起こすことはなくなりました。
REVOX
B77, ミュージックテープを主に聴いています。再生中に勝手に停止したり、再スタートさせても再生ボタンから手を離すととまってしまう事があります
REVOXの場合光センサーでテープエンドを検出していますが、B77系だけ
赤外線を使っています。
B77のテープエンド検出に関係した現象として以下のようなことが起こります。
1、テープの磁性粉が何らかの原因で(傷やしわ、折れ)脱落している場合、
その部分がたとえピンホール程度でもセンサーは検出しますのでSTOPします。
その場合は、必ず曲の同じ部分でとまってしまいます。
2、テープの色に関して。
市販の録音用テープは比較的黒ぽいものが多いですが、ミュージックテープは
色が薄く赤茶色のものがよく使用されていました。赤外線の透過率も高いようで、テープの状態によってはセンサーが働くのではと考えられます。
B77, タイミングベルト状のカウンタベルトは入手できますか
純正部品があります。常備在庫品です カウンタベルト
A77, ヘッド交換を含むオーバーホールはできますか
ヘッド及びベルト、ピンチローラ、ブレーキドラム等メカ消耗部品は入手可能です。
ご希望の内容で整備できます。また電解コンデンサやフィルムコンデンサは劣化が激しいので無条件で交換します
A77が使用中に煙が出て動かなくなりました
30年以上経過し長期間通電されなっかたデッキで発生する可能性が高い故障です。 大規模なコンデンサ交換が必要です。修理費用も高額になる場合が多いです
A77, 再生モニタスイッチの位置はNABかIECどちらが正規の位置ですか
日本国内で出回っているA77はほとんどNAB規格で調整されたものです。NABの位置が正規の位置です
A77, 再生時にVUメータが振れないのですが故障でしょうか
故障ではありません。VUメータを振らせるには左右のインプットセレクタの位置を1-2及び2-1にセットしてインプットボリュームでレベルを調整してください
A77, 再生時にテープが終りの方になるとスピードが遅くなる
A77で起こる故障の一つです。メカのオーバーホールで直ります
B77, ピンチローラが溶けてしまっています。部品はありますか
ピンチローラは常時在庫しています。REVOX A77,A700,B77,C270,PR99すべて共通です
A700, 北米仕様を海外より入手しました。動作が非常に不安定です
北米仕様は電源電圧セレクタが省かれています。ステップアップトランス又は安定化電源等で指定の電圧(115V or 120V)にして動作させて下さい。100Vでは本体から異音が出たりメカの誤動作等が発生します
B225, 操作ボタンの特定のキーだけ反応が鈍いです。ゴムパッドだけ部品入手できますか
純正ゴムパッドや周辺パーツはご注文いただければお取り寄せいたします
SONY
TC-R7-2, 無信号で録音しても片側のチャンネルから、かなり小さいノイズですがプチプチとかボソボソと不定期に聞こえます
まずヘッドの消磁を行ってください。これで解決しない場合はヘッド不良の可能性が大です。無信号録再状態で再生ヘッドを2Tから4Tに切り替えた場合ノイズが出なくなる場合は2T再生ヘッド不良です。新品のヘッドは入手不可です。
TC-R7-2は上記のトラブルがあるため修理対応機種から外しました
TC-5550-2, キャプスタンモータが回らず録再ができません。早送り巻き戻しもできません。
修理は可能です。キャプスタンモータをオーバーホールします。
TC-5550-2, ヘッドフォン出力にブーンというハム音が小さく聞こえる
本体内蔵のAC電源を使用した場合はハム音が出ます(TC-5550-2全て出ます、故障ではありません)。良質の12V外部電源を使用することでハム音はなくなります。
TEAC
X-10R のキャプスタンベルトを交換したいのですが、 古いベルトが溶けて掛ける位置がわかりません。
Capstan Belt Threading Guide for TEAC X-Series ここを参考にしてください
R-313,R-720,R-740,R-760,T-3600のキャプスタンベルトは入手できますか
キャプスタンベルトの在庫はあります。キャプスタンモータのプーリは、以下のようにサイズが違う2種類のものが存在します。
オリジナル=50Hz部の直径=38.0mm=そのまま使用できます
サービス対策品=50Hz部の直径=37.6mm
サービス対策プーリの場合は、オリジナルプーリに交換が必要です。
A-3300S, リール台の高さ調整方法は
1, 左右の側板を外すとリール台の根元が見えます。
2, 止めねじが2箇所(左右で4箇所)あります、少し緩めて高さを調整してください。
3, モータシャフトの一部が、止めねじの一つを受けるため平らにカットされています。
止めねじの位置関係を保つため緩めすぎないようにしてください。
4, 調整は7号プラリールで行ってください。10号金属リールで調整する場合は、高さ補正シート込みまたはTZ-612A装着状態で調整してください
X-10R, フォワード録音の音質が悪い、レベルも低くなる
原因として考えられるのはヘッドの汚れです。テープガイド、キャプスタンシャフト、ヘッド等を充分クリーニングを行い、目視で汚れが落ちていることを確認してください。ほとんどの場合これで解決すると思いますが状況が変化しない場合や、特に左チャンネルのレベルが不安定な場合はヘッドの磨耗が考えられます。
A-7400, 音楽信号でピークメータの針の応答速度が左右で大幅に違う
A-7400のピークメータ表示は、電子回路でピーク検出および対数圧縮をして 表示を行っています。この部分が回路ユニット化されているのですがよく故障します。ユニット交換による修理が可能です。
TASCAM 34とdbxユニットDX-4Dの接続方法を知りたい
以下のリンクを参考にしてください
TASCAM34 / DX-4D 接続図
テープデッキ全般
片側のチャンネルの音が出ない
デッキの故障の場合もありますが、ヘッドの汚れで音が出なくなることもよくあります。十分ヘッドクリーニングを行っているつもりでも、磁性粉などがこびりついている場合は簡単に落ちないことがあります
録音中にテープがギーギーと音を出し、その音がテープに記録されてしまいます
原因は "テープ自身" 及び "テープ走行系の汚れ" の2つがあります。まずヘッド及びテープ走行系のクリーニングを行います。これで解決しない場合はテープの不良ですので、そのテープの使用を控えてください。
録音すると以前の音が少し残る
主な原因は2つあります。1つは消去ヘッドの汚れです。充分クリーニングを行い目視で汚れが落ちていることを確認してください。2つめの原因は4トラック、2トラック、フルトラック等で録音されたテープを混用するためです。具体例:4トラックデッキで、2トラックにて録音されたテープをさらに録音する場合、消去は4トラック分しかできないので、録音済2トラックの消し残し部分の音が僅かに聞こえる。対策はバルクイレーサでテープ全体を消去することです。
早送りや巻き戻しからSTOPするとテープがたるむことがある
左右のリールのサイズや種類(金属またはプラスチック)が揃っていないとブレーキが正常でも、テープがたるむ場合があります。
デッキを修理に出すための具体的方法は
オープンリール修理の流れのページをご覧ください。
電源を入れると勝手に再生してしまう
タイマースイッチが入っていませんか
片方のチャンネルの録音が出来ない、出来ても音が小さい、音がこもる
録音できない原因は多くの場合、録音ヘッドの汚れが原因です。4トラックデッキの場合は左のトラック(左チャンネル)が汚れる場合が多いです。デッキに詳しくてまめにヘッドのクリーニングをされている方でも、時としてこのような症状に見舞われる場合があります。
頑固なヘッド汚れで簡単には除去できない例
汚れに関してのまとめ
経年劣化したテープを使う限り磁性体やバインダーの剥離やベタツキなどによるテープ走行系の汚れは避けて通れません。
テープの経年劣化は、テープの使用時間とは関係ありません。未使用新品テープでも劣化は進行します。
古いテープでも製造メーカーによっては、経年劣化が少ない物も有ります。具体的には、MAXELL, DENON, COOPなど日立マクセル製のテープはトラブルが少ないようです。
経年劣化したテープを使用したあとは必ずヘッドを含むテープ走行系の完全なクリーニングを行ってください。汚れが残った状態で、例えば新品のテープを使用した場合、汚れが新品テープに移り最悪不良テープになってしまう可能性があります。
オープンリール デッキを入手しました、サイクルチェンジが必要かどうかの判断方法は
以下の症状の場合サイクルチェンジが必要です
正常に録音されたテープを再生した場合、50ヘルツ地域では音程が低く聞こえ、60ヘルツ地域では音程が高く聞こえる。またスピードは正常でも、サイクルチェンジが必要な機種もあります。以下に例を記します
AKAI : GX-635D,GX-646,GX-747(dbx),GX-266D,
DENON : DH-610S,DH-630,DH-710'S,
TEAC : X-3,X-300,22-2,22-4,30-4,A-6600,A-6700,A-7400(RX),
REVOX : A700,
またサイクルチェンジが不要の機種を以下に記します
AKAI : GX-77,
TEAC : A-5300, X-7/10/20/1000/2000 シリーズ
TECHNICS : RS-1500/1700
REVOX : A77,B77,PR99
SONY : TC-R6,TC-R7-2,TC-6400
参考
マスター巻きとは
テープを保存する場合に良いとされているテープの巻き方です。具体的には、録音あるいは再生状態でテープが右のリールに巻き取られた状態をマスター巻きとよびます。後日再生する時は一旦巻き戻してから再生します。アメリカではテールエンドと呼ばれています。
録音時のピークレベルメータのレベル設定は
テープのダイナミックレンジいっぱい使いたい場合は、ピークで+5dBまで振らせます。 標準は0dBをピークにします。また1kHzの基準レベル信号を録音する場合は-8dB(赤マーク)にセットします。(このレベルをVUメータで表示すれば0VUのポイントになります。) VUメータとピークレベルメータを混同しないようにしましょう。 VUメータの単位は“VU”です。例: +3VU,-10VU, ピークレベルメータの単位は“dB”です。例: -8dB,+3dB
同一メーカーのデッキ同士でも再生レベルが違います。互換性はないのでしょうか
基準レベルが同じ機種の場合は互換がありますが、違う場合は1~3dBくらい差が出ます。 レベル差があるだけで使用には差し支えありません。
モノラルで録音したテープを再生する方法は無いでしょうか
4トラックまたは2トラックのステレオデッキの左側のトラック(Lch)だけを使って再生できます。
オープンリール テープは何回くらいまで使えるのでしょうか
テープ製造メーカーの回答は、200パスまで使用できるとのことでした。 例えば往復再生した場合、2パス(2回)ということになります。 200回以上でも使用可能ですが、ドロップアウトや録音感度の低下等が発生します。
日常の手入れについて
ヘッドクリーニングは必要ですか
オープンリールデッキのヘッドは、使用に伴い必ず汚れます。特に録音前のクリーニングは必須です。ヘッドやガイドを良く観察して ピカピカになるまでクリーニングしてください。 テンションアーム、テープガイド、リフター等も同時にクリーニングしてください。十分ヘッドクリーニングを行っているつもりでも、磁性粉などがこびりついている場合は簡単に落ちないことがあります。
クリーニング液はどのようなものを買えばいいでしょうか
無水エタノール(無水アルコール)を購入してください。ドラッグストアでは取扱いがあるところが多いです。消毒用アルコールや燃料アルコールはNGです。長期使用でさびの発生の恐れがあります。ネット通販で購入が安くておすすめです。
ヘッドのクリーニング直後でも、しばらく再生するとヘッドが汚れて音がこもる、あるいはテープ自体からギーギー異音が出る
テープの経年劣化が原因です。デッキ本体にも負担がかかるので、そのようなテープは使用を控えてください。
ヘッドイレーサの使い方がわからない
デッキの電源を切ります
ヘッドイレーサの電源を入れます。注意 ; デッキから30cm以上離してスイッチを入れてください。電源は作業が終了するまで切らないでください
ヘッドにイレーサの先端を軽く当て、ヘッド前面に沿ってゆっくりと動かします
同様に他のヘッドやテープガイドなども消磁します
電源を切る場合はヘッドから30cm以上離してから切ってください。
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